Microsoft Exchange ジャーナリング構成(プッシュ方式)を構成する方法 - プレミアムジャーナリング
プレミアムジャーナリング には、Exchange Enterprise クライアント・アクセス・ライセンス (CAL) が必要になります。
ここでは、BMAのファームウェアバージョン3.2以降、およびメールボックスデータベースのジャーナリングとして標準ジャーナルを利用する Exchange Server 2010を使った手順を記載いたします。
Exchangeの設定手順は情報提供の目的で作成しており、Exchangeの設定に関する不明点や設定によって発生した不具合など弊社では責任を負えませんので、その旨ご了承ください。
Microsoft Exchangeはジャーナルの受信者をメールボックスまたは連絡先のいずれかにすることができます。Exchange上に 存在しないドメインのメールアドレスを連絡先として使用することで、BMAにジャーナルメールを配信するための送信コネクタ(SMTP)を作成することができます。 エンベロープジャーナリングを構成するには、この資料の手順を使用してください。
Step1:BMAに各Exchangeサーバーを信頼できるSMTPサーバとして登録
Exchangeサーバのジャーナル設定が完了したらすぐにBMAでジャーナリングを開始できるよう、BMAの Webインタフェースより信頼できるSMTPサーバとしてクライアントアクセスサーバー(CAS)の役割である各Exchangeサーバーを登録します。
1: バラクーダメッセージアーカイバのWebインターフェイスにログインし、「メールソース」>「SMTP」ページに移動します。
2: 「信頼できるSMTPサーバ」セクションで、BMAに直接ジャーナルする各ExchangeサーバのIPアドレスを入力します。 入力後、「追加」をクリック保存します。
Step2:Exchangeの PowerShellからリモートドメインを作成
リモートドメインは、組織の内部または外部のいずれかからも、ルーティングできない、解決できない、存在しないドメインである必要があります。(例:bma.intのようなドメイン)
このドメインのメールアドレスをジャーナルメッセージの受信者として使用する必要があります。
Exchangeサーバの以前のバージョンでは Exchange管理コンソールを使用してリモートドメインを作成することが出来ましたが、 Exchangeサーバ 2013からは Exchange管理コンソールからリモートドメインを作成できず、PowerShellから作成する必要があります。
リモートドメインを作成するには、リモートドメイン名と名前を入力する必要があります。 この例では 、bma.intというリモートドメイン名を利用します。
注意
2017/6/20追記
Barracuda Message Archiverは Exchangeのリッチテキスト形式に対応しておりませんので、Exchange側のリモート ドメインのプロパティでメッセージ形式内のExchangeリッチテキスト形式を「使用しない」に設定してください。
以下のコマンドで設定いただきますと、リッチテキスト形式は「使用しない」で設定されます。
1: Exchangeサーバ 2013にアクセスして Exchange Management Shellをクリックして開きます。
2: 以下のコマンドを実行して、リモートドメインを作成します。
New-RemoteDomain -DomainName bma.int -Name "Message Archiver Domain"
3: 以下のコメンドを実行して、オートフォワーディングを有効にします。(「TNEFEnabled $false」オプションでリッチテキストを無効にしています。)
Get-RemoteDomain | Where {$_.DomainName -eq "bma.int"} | Set-RemoteDomain -TNEFEnabled $false -AutoForwardEnabled $true
4: 以下のコマンドを実行して設定を確認を行います。
Get-RemoteDomain | Where {$_.DomainName -eq "bma.int"} |Format-table Name, DomainName, TNEFEnabled, AutoForwardEnabled
5: 作成されたリモートドメインの確認を行います。
Exchange管理コンソールから、「組織の構成」>「ハブトランスポート」>「リモートドメイン」に作成されたリモートドメイン上で右クリックし「プロパティ」をクリック
6: プロパティ画面が表示されたら「メッセージ形式」タブより、「Exchangeリッチテキスト形式」が「使用しない」になっていることを確認します。
Step3:ジャーナルメッセージの送信先アカウントを作成
メール連絡先は、ジャーナルメッセージの送信先アカウントです。 このアカウントのメールアドレスは、ステップ2で作成した、ルーティングされないダミードメインのメール連絡先です。
1: Exchangeの管理コンソールから「メール連絡先の新規作成」をクリックします。
2: メール連絡先を設定して、「次へ」をクリック。(例:journal@bma.int)
3: 「新規作成」をクリックしてメール連絡先を作成します。
ジャーナル用のメール連絡先をグローバルアドレス一覧から非表示にされることをおすすめします。非表示にするためには以下のコマンドを実行してください。
Get-MailContact | Where {$_.Name -eq "Journal Contact"} | Set-MailContact -HiddenFromAddressListsEnabled $True
以下の設定を実行して設定を確認します。
Get-MailContact | Where {$_.Name -eq "Journal Contact"} | Format-table Name, HiddenFromAddressListsEnabled
Step4:送信コネクタの作成
BMAにジャーナルメールを送信するために次の手順を実施します。
1: Exchange管理コンソールから「ハブトランスポート」>「送信コネクタ」に移動して、「送信コネクタの新規作成」をクリックします。
2: 作成する送信コネクタの「名前」を入力して「次へ」をクリックします。(使用目的は、デフォルトの設定のカスタムとします。)
3: アドレススペースセクションで「追加」ボタンのプルダウンから「SMTPアドレススペース」を選択します。
4: SMTPアドレススペースのウィンドウが開きますので、「アドレススペース」にジャーナルメール転送用として作成したアドレスのドメイン名を入力して「OK」をクリックします。
5: 送信コネクタが登録されるので「次へ」をクリックします。
6: 「メールを次のスマートホストを経由してルーティングする」をチェックして「追加」をクリックします。
7: 「IPアドレス」を選択してBMAのIPアドレスを入力して「OK」をクリックします。
8: 「次へ」を2回クリックします。(スマートホスト認証は設定しません)
9: 「送信元サーバー」に Exchangeサーバが表示されいることを確認して、「次へ」をクリックし、設定サマリが表示されますので、「新規作成」ボタンをクリックして設定を完了します。
10: 作成した送信コネクタのアイコン上で右クリックして「プロパティ」をクリックします。
11: プロパティ画面から「最大メッセージサイズ」のチェックを外して「OK」をクリックします。
Step5:ジャーナルルールの作成
Exchange管理コンソールからジャーナルルールを追加します。
1: 「組織の構成」>「ハブトランスポート」>「ジャーナルルール」タブをクリックし、「ジャーナルルールの新規作成」をクリックします。
2: ジャーナルルールの作成画面から「ルール名」と「ジャーナルレポートを電子メールアドレスに送信」にジャーナルメール転送用として作成したアドレスを入力して「新規作成」をクリックします。
スコープでジャーナリングする対象メールを設定して「ルールを有効にする」をチェックします。
項目 | 内容 |
---|---|
グローバル | すべてのメッセージ |
外部 | 外部サーバからのメッセージ |
内部 | 内部メッセージ |
受信者のジャーナルメッセージ | メールアカウントやグループごとにジャーナル対象を設定可能。 プレミアムジャーナリングとなるため、Exchange Enterprise クライアントアクセスライセンスが必要です。 |
以上で設定は完了です。