Microsoft Exchange ジャーナリング構成(プッシュ方式)を構成する方法 - 標準ジャーナリング
ここでは、BMAのファームウェアバージョン3.2以降、およびメールボックスデータベースのジャーナリングとして標準ジャーナルを利用する Exchange Server 2013を使った手順を記載いたします。
Exchangeの設定手順は情報提供の目的で作成しており、Exchangeの設定に関する不明点や設定によって発生した不具合など弊社では責任を負えませんので、その旨ご了承ください。
標準ジャーナリング の場合、メールボックス データベースごとにジャーナルを個別に構成する必要があります。
Microsoft Exchangeはジャーナルの受信者をメールボックスまたは連絡先のいずれかにすることができます。Exchange上に 存在しないドメインのメールアドレスを連絡先として使用することで、BMAにジャーナルメールを配信するための送信コネクタ(SMTP)を作成することができます。 エンベロープジャーナリングを構成するには、この資料の手順を使用してください。
Step1:BMAに各Exchangeサーバーを信頼できるSMTPサーバとして登録する
Exchangeサーバのジャーナル設定が完了したらすぐにBMAでジャーナリングを開始できるよう、BMAの Webインタフェースより信頼できるSMTPサーバとしてクライアントアクセスサーバー(CAS)の役割である各Exchangeサーバーを登録します。
1: バラクーダメッセージアーカイバのWebインターフェイスにログインし、「メールソース」>「SMTP」ページに移動します。
2: 「信頼できるSMTPサーバ」セクションで、BMAに直接ジャーナルする各ExchangeサーバのIPアドレスを入力します。 入力後、「追加」をクリック保存します。
Step2:Exchangeの PowerShellからリモートドメインを作成
リモートドメインは、組織の内部または外部のいずれかからも、ルーティングできない、解決できない、存在しないドメインである必要があります。(例:bma.intのようなドメイン)
このドメインのメールアドレスをジャーナルメッセージの受信者として使用する必要があります。
Exchangeサーバの以前のバージョンでは Exchange管理コンソールを使用してリモートドメインを作成することが出来ましたが、 Exchangeサーバ 2013からは Exchange管理コンソールからリモートドメインを作成できず、PowerShellから作成する必要があります。
リモートドメインを作成するには、リモートドメイン名と名前を入力する必要があります。 この例では 、bma.intというリモートドメイン名を利用します。
注意点
2017/6/20追記
Barracuda Message Archiverは Exchangeのリッチテキスト形式に対応しておりませんので、Exchange側のリモート ドメインのプロパティでメッセージ形式内のExchangeリッチテキスト形式を「使用しない」に設定してください。
以下のコマンドで設定いただきますと、リッチテキスト形式は「使用しない」で設定されます。
1: Exchangeサーバ 2013にアクセスして Exchange Management Shellをクリックして開きます。
2: 以下のコマンドを実行して、リモートドメインを作成します。
New-RemoteDomain -DomainName bma.int -Name "Message Archiver Domain"
3: 以下のコメンドを実行して、オートフォワーディングを有効にします。(「TNEFEnabled $false」オプションでリッチテキストを無効にしています。)
Get-RemoteDomain | Where {$_.DomainName -eq "bma.int"} | Set-RemoteDomain -TNEFEnabled $false -AutoForwardEnabled $true
4: 以下のコマンドを実行して設定を確認を行います。
Get-RemoteDomain | Where {$_.DomainName -eq "bma.int"} |Format-table Name, DomainName, TNEFEnabled, AutoForwardEnabled
5: 作成されたリモートドメインの確認を行います。
Exchange管理コンソールから、「組織の構成」>「ハブトランスポート」>「リモートドメイン」に作成されたリモートドメイン上で右クリックし「プロパティ」をクリック
6: プロパティ画面が表示されたら「メッセージ形式」タブより、「Exchangeリッチテキスト形式」が「使用しない」になっていることを確認します。
Step3:ジャーナルメッセージの送信先アカウントを作成
メール連絡先は、ジャーナルメッセージの送信先アカウントです。 このアカウントのメールアドレスは、ステップ2で作成した、ルーティングされないダミードメインのメール連絡先です。
1: Exchange 2013 の管理コンソールから「受信者」をクリックし、「連絡先」をクリックして「+」をクリックします。
2: 新しいメール連絡先のページでは、さきほど作成したリモートドメインを使用して受信者アカウントの情報を入力します。(例:journal@bma.int)
3: 「保存」をクリックして、連絡先リストに作成した連絡先が表示されることを確認します。
ジャーナル用のメール連絡先をグローバルアドレス一覧から非表示にされることをおすすめします。非表示にするためには以下のコマンドを実行してください。
Get-MailContact | Where {$_.Name -eq "Journal Contact"} | Set-MailContact -HiddenFromAddressListsEnabled $True
以下の設定を実行して設定を確認します。
Get-MailContact | Where {$_.Name -eq "Journal Contact"} | Format-table Name, HiddenFromAddressListsEnabled
Step4:送信コネクタの作成
BMAにジャーナルメールを送信するために次の手順を実施します。
1: Exchange管理コンソールから「メールフロー」>「送信コネクタ」に移動して、「+」をクリックします。
2: 作成する送信コネクタの「名前」を入力して「次へ」をクリックします。(使用目的は、デフォルトの設定のカスタムとします。)
3: 新しい送信コネクタで「スマートホストを通してメールをルーティングする」を選択します。
4: スマートホストの追加で、BMAの完全修飾ドメイン名(FQDN)または IPアドレスを入力します。
5: 「保存」をクリックして、スマートホストにリストされることを確認し、「次へ」をクリックします。
6: 「スマートホスト認証」設定については、BMAへのスマートホスト接続に認証を利用しておりませんので、「なし」を選択して「次へ」をクリックしてください。
7: 「アドレススペース」設定で「+」をクリックしてください。
8: 「アドレススペース」ページでは、ジャーナルの連絡先を作成するために使用される外部メールアドレスのドメインと一致するドメインを入力して「保存」します。例:bma.int( ステップ2を参照)
9: 追加したドメインはリストに表示されます。「次へ」をクリックします。
10: 「ソースサーバ」設定で「+」をクリックしてください。
11: Exchangeサーバが一覧で表示されているので、正しい状態であることを確認します。サーバを追加するには「追加」をクリックします。
追加の必要がない場合は「OK」をクリックします。
12: 「フィニッシュ」をクリックします。
13: 新しい送信コネクタが表示されていますので、ステータスが有効になっていることを確認します。
14: 新しい送信コネクタを選択して、編集アイコンをクリックします。
「最大送信メッセージサイズ」でドロップダウンから「無制限」を選択して、「保存」をクリックします。
Step5:メールボックスデータベースジャーナリング
以下の手順でメールボックスジャーナリングの設定を行います。
Exchange2013上のジャーナリングを行なう全てのメールデータベースで同じ手順を行います。
1: Exchange管理コンソールから「サーバ」に移動して、ジャーナリング設定を行なうデータベースを選択して編集アイコンをクリックします。
2: 「メンテナンス」をクリックします。
3: 「参照」をクリックします。
4: 先ほど作成した送信コネクタを選択して「OK」をクリックします。
5: ジャーナル受信者に選択した送信コネクタが設定されていることを確認します。
設定が完了すると、ジャーナル·メールは BMAに転送されます。 BMA上で検索結果として反映されるまでに 30分程かかります。
以上で設定は完了です。