ベアメタルリストア後の MSSQLリストア手順
ベアメタルプロセスは、ファイルシステムとシステム状態のみを復元します。 重複したデータベースファイルのバックアップオーバーヘッドを減らすため、データベースファイルはファイルシステムのバックアップから除外されます。
代わりに、データベースファイルはバックアップエージェントのVSSまたは Microsoft VDIのバックアップ機能を使用してバックアップされ、ベアメタルリストアでは復元されません。
そのため、Microsoft SQL Serverを実行しているシステムでベアメタルリストアを実行するには、SQLインスタンスを実行中の状態に復元するために別途SQLのDBを手動でリストアする必要です。
前提条件
この手順では、次のことを前提としています。
- ベアメタルリストアが正常に完了している。
- システムはオンラインで、Barracuda Backupアプライアンスとネットワーク接続が可能な状態である。
リストア方法はMSSQLのデータベースの取得方法によって異なります。
Microsoft SQL 2012以降ではデフォルトではVSSを利用したバックアップを行っています。
なお、MSSQLのバックアップ推奨方法などは「MSSQLバックアップの方式について(VSS方式とVDI方式)」をご参照ください。
BBS Firmware v5.4以降デフォルトではVSS方式でバックアップされます。MSSQLのバージョンと復旧モデルにおける推奨バックアップ方式を図にまとめます。
※バックアップ方式は混在させることができません。
MSSQLバージョン | 単純復旧モデル | 完全復旧モデル |
---|---|---|
Microsoft SQL Express | VSS方式 | |
Microsoft SQL Server 2008以前 | VSS方式 | VSS方式 |
Microsoft SQL Server 2012以降 | VSS方式 | VDI方式 |
SQL VSSバックアップデータのリストア
SQLのDBをVSS方式でバックアップした場合はこちらのリストア方法でリストアしてください。
1: Barracuda Backupにログインし、「リストア」> 「リストアブラウザ」ページに移動します。
2: SQL Serverを含むソースを選択して展開します。
3: リストアする「Backup Agent」>「Microsoft SQL」>「インスタンス」までドリルダウンし、「master」データベースの「ダウンロード」をクリックします。
4: ファイルを解凍し、 MDFファイルとLDFファイルのみをシステムデータベースディレクトリ(通常はC:\Program Files\Microsoft SQL Server\nnn\<インスタンス名>\MSSQL\DATA\)にコピーします。
※nnnの部分はSQLのバージョンにより変わりますので、マイクロソフト社の「SQL Server の既定のインスタンスおよび名前付きインスタンスのファイルの場所」をご参照ください。
5: 「model」データベースの「ダウンロード」をクリックし ます。
6: ファイルを解凍し、 MDFファイルとLDFファイルのみをシステムデータベースディレクトリ(通常はC:\Program Files\Microsoft SQL Server\nnn\<インスタンス名>\MSSQL\DATA\)にコピーします。
※nnnの部分はSQLのバージョンにより変わりますので、マイクロソフト社の「SQL Server の既定のインスタンスおよび名前付きインスタンスのファイルの場所」をご参照ください。
7: 「msdb」データベースの「ダウンロード」をクリックし ます。
8: ファイルを解凍し、 MDFファイルとLDFファイルのみをシステムデータベースディレクトリ(通常はC:\Program Files\Microsoft SQL Server\nnn\<インスタンス名>\MSSQL\DATA\)にコピーします。
※nnnの部分はSQLのバージョンにより変わりますので、マイクロソフト社の「SQL Server の既定のインスタンスおよび名前付きインスタンスのファイルの場所」をご参照ください。
9: SQLインスタンスが開始され、Barracuda Backupアプライアンスからリストアを受け入れることができます。
10: 他のユーザデータベースを復元するには、「リストアブラウザ」からデータベース名の右側にある「リストア」を クリックします。
11: 取得時と同じところに復元するので、特に何も設定を変えずに「リストアの開始」をクリックします。これを残りのユーザデータベース分、繰り返し実行します。
12: 全てデータベースをリストアしたらサーバを再起動します。
SQL VDIバックアップデータを復元する
SQLのDBをVDI方式でバックアップした場合はこちらのリストア方法でリストアしてください。
ステップ1: シングルユーザ復元モードを開始する
1: サーバーに管理者としてログインし、コマンドプロンプトを開きます。
2:「Template Data」フォルダから templateデータベースファイルをコピーしておきます。(通常は C:\Program Files\Microsoft SQL Server\nnn\<インスタンス名>\MSSQLにあります。)
※nnnの部分はSQLのバージョンにより変わりますので、マイクロソフト社の「SQL Server の既定のインスタンスおよび名前付きインスタンスのファイルの場所」をご参照ください。
3: マイクロソフトのドキュメント「システムデータベースの再構築」を参照してシステムデータベースを再構築します。
例:Windows認証モードで構築したSQLの場合 Setup /QUIET /ACTION=REBUILDDATABASE /INSTANCENAME=<インスタンス名> /SQLSYSADMINACCOUNTS=<アカウント>
4: SQL構成マネージャを開き、左ペインより「SQL Serverのサービス」をクリックします。
5: SQL Server(インスタンス名)をダブルクリックして選択して「起動時のパラメータ」タブをクリックします。
6: 「起動時のパラメーターの指定」フィールドに「-m」と入力して「追加」をクリックします。
7: 「OK」をクリックします。
8: SQL Server(インスタンス名)右クリックして「開始」を選択します。これでインスタンスはシングルユーザモードで起動し、masterデータベースのリストアモードの準備が出来ました。
ステップ2:SQLインスタンスを開始する
1: Barracuda Cloud Controlにログインします。
2:「リストア」>「リストアブラウザ」にアクセスします。
3: 戻したい対象のバックアップソースをクリック
4: 「Barracuda Backup Agent」>「Microsoft SQL」>「インスタンス名」をクリックして表示される「master」データベースの「リストア」をクリックします。
5: オプションは特に変更せず「リストアの開始」をクリックします。
ステップ3:マルチユーザモードに戻る
1: サーバーに管理者としてログインします。
2: SQL構成マネージャを開き、左ペインより「SQL Serverのサービス」をクリックします。
3: SQL Server(インスタンス名)をダブルクリックして選択して「起動時のパラメータ」タブをクリックします。
4: 「既存のパラメーター」フィールドから「-m」を選択して「削除」をクリックします。
5: 「OK」をクリックします。再起動するように求められたら「OK」をクリックして再起動します。
ステップ4:他のデータベースを復元する
1: Barracuda Cloud Controlにログインします。
2:「リストア」>「リストアブラウザ」にアクセスします。
3: 戻したい対象のバックアップソースをクリック
4:「Barracuda Backup Agent」>「Microsoft SQL」>「インスタンス名」をクリックして表示される「model」データベースをリストアします。
5:「Barracuda Backup Agent」>「Microsoft SQL」>「インスタンス名」をクリックして表示される「msdb」データベースををリストアします。
6:「Barracuda Backup Agent」>「Microsoft SQL」>「インスタンス名」をクリックして表示されるユーザDBをリストアします。
7: リストアするには各ユーザDBの右側にある「リストア」をクリックします。
8: リストアをクリックしますと、リストア画面がポップアップしますので、デフォルト設定のままで「リストアの開始」をクリックしてリストアを開始します。
1つDBのリストアが完了したら、次のDBという形で1つずつリストアを実施してください。(完了を待たずに1度に実施すると失敗します。)
9: 全てデータベースをリストアしたらサーバを再起動します。